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十四代・而今・森伊蔵・村尾…。特定の居酒屋ではなぜ適正価格で提供されているか?(ヴォーヌ・ロマネのワインについて)その①

2017年12月1日

今日はあまり知られていない!
お酒のお話しです。

 

タイトルにもありますが
現在の日本酒を代表する人気銘柄
十四代・而今・黒龍・田酒など
焼酎では
森伊蔵・村尾・魔王など
ウイスキーでは
現在イチローズモルトが代表的ですね。

いわゆる『プレミア銘柄』
楽天市場やヤフーショッピング
アマゾン、一般店頭販売などで
高額で取引されている銘柄です。




これ、希望小売価格。
定価じゃない事をご存知でしょうか?
2015〜2016年あたりでの
相場を見てみると、

十四代『七垂二十貫』双虹
定価は10000円
一般店頭小売では100000円〜120000円
(10倍以上!)

十四代『本丸』定価は2000円
(ヤフオク)10000〜12000円
(楽天など)15000円

黒龍『石田屋』定価は10000円
(ヤフオク)25000〜30000円
(アマゾン)40000〜50000円

『森伊蔵』定価は約3500円
一般店頭では25000〜30000円

代表的な銘柄の一部を並べてみましたが、
この価格帯で変動しています。

特に『十四代すべて』&『黒龍の限定酒』
最近は『而今』もかなり高くなって来ました。

なぜ?このような事が起こるのか。
様々に言われていますが
ここでは余り語られない事情も含めて
簡単に解説してみます。

お酒の流通というのは
①蔵元→②卸業者→
③正規取り扱い契約の酒屋→④消費者
となるわけですが、

①→②→③では暗に取り決めがあり
1度でも定価販売をしないという事実が
発覚した場合は既存の取り引きを停止。
ほとんどの場合は店頭販売のみ
ネット販売も禁止とされています。




人気銘柄の需要が強すぎる為に
供給と釣り合わず
新規の業者が①→②→③に入り込むことは
ありません。
狭い業界ですから
相互監視もとても行き届いているわけです。

例えば、現在ショッピングモールなどで
ネット販売されている
『十四代』はすべて転売品です。
(楽天販売のみ自粛などの銘柄もあります)

③から定価で買い取ったものを
ネット販売しているという
④の消費者が出品者というわけです。

『十四代』という銘柄は
一般的には初めて(②)を除いて
①→③流通に成功した蔵元ということもあり
入手難易度が高く
現在プレミア銘柄の代表格です。
(③の販売者が一見さんへ本数を確保出来ない)

『森伊蔵』に至っては
①→④というとても珍しい販売方式を
とっているためさらに希少性も上がります。

———-

先日、森伊蔵酒造に伺った
造詣の深い友人の話しが面白いので
ここでちょっとだけ裏話。

『森伊蔵酒造』が生産出来る限界量、
出荷量・元酒の生産量・甕の数が合わないという
謎があるのですが
『原酒』は親類の大手に外注、
『甕の寝かせ』だけ『森伊蔵』でやるという事実。

さて、
『完全自社製品』と『原酒外注品』
これテイスティングで見抜けるか?
『出来ない』という結論だそうです。
それだけ森伊蔵は『甕』の要素を強く出すので
『森伊蔵の蔵甕』をかけてしまえば
『森伊蔵』ということです。




過去には
『越乃寒梅』『久保田』『八海山』などが
代表的なプレミア銘柄でしたが
現在では比較的容易に定価入手が可能となり
『十四代』のような篦棒な値付けはされていません。

重要と供給、
絶対的な消費量は決まっているということです。
人気は他銘柄に流れているわけですから

買う人がいなければ
④以降の転売値付けは当然下がります。
売れてしまうから価格の上昇が
止まらなくなるわけで
常に④から先の流通は変動相場です。

さらに外国での日本酒人気が高まると
④以降の相場はググッと上がります。

国内での消費者④→
国外での販売者⑤→国外の消費者⑥
という新しい構造が追加される為ですね。

特に高値として金額がつり上がるのは
『蔵元の最高級・最高品質の限定酒』となります。
それは何故か?
それは国外の消費者⑥を考えるとわかります。

この高額な嗜好品を消費する層を考えると
『対価制限が薄い』
『贈答には最高品という慣例』
『バブル景気では2、3番ではなく1番のみ』

よく一番高いものは知っているが
中間品は知らないという方を知りませんか?

ただ、これにも訳があり
時間効率を考えた際に、
一番良いものを知れば関心が遠のいていき、
他へのアプローチ、次の行動が起こせる。

という理由があります。
『対価制限が薄い』方々は
相対的に考える時間も高額だ。ということです

さて、
ではこのプレミア銘柄。
どうやって入手すれば良いでしょう?

①→②→③→④→⑤→⑥までの
どこで入手可能でしょうか?

『十四代』を例に挙げてみます。
この『十四代』現在の流通は
①→③→④→⑤→⑥ となっています。




ある有名な焼酎の生産者
この蔵は大変な人気でしたが
事業の拡大・安定他、諸事情のため
ある小売酒販店に大きな借りが出来ました。
この小売店に割当を厚遇した事例です

①→③というのは
人気銘柄として
売れる様になる前からのお付き合い
今までずっと応援してくれたから
①が③を大切にするという
人情とも言える業界構図があります。

③→④は定価販売が原則ですが
④の飲食店・消費者に人気銘柄を提供出来れば
それが理由となり
他の取引で利益を確保しやすくなります。
(セット販売と言えてしまうかもしれませんが)
一般消費者の方も人気銘柄以外の
おすすめ商品を愉しむという
こちらにも人情があります。

とある有名な生産者は
外部からの資本増強等が理由で
増産・既存の流通割当の変更をしました。
①→③の流通割当量を変えた
という数少ない例外が起こった事例です。
(それだけで話題になるほどです)

①→②という昔から続く流通ビジネスの関係では
当然とも言える事なんですが、

たとえば、それなりに流通量のある
定価3000円
日本の消費者への販売価格が約15000円
というプレミア人気の付いた酒があったとします。

これを1000本。
①に1本12000円で売ってください。
と連絡しても相手にもしていただけません。

では、生産量を今以上に増やして
その枠をください。
増産に伴う設備投資は当方で持ちます。としても
これも9分9厘相手にしてもらえません。
僅かな例外があるのみです。
(有名な獺祭も急遽増産をした数少ない例外です)

それだけ日本での酒類に関わる
生産者・流通①→③での関係者は想いが強く
目の行き届いた品質への拘り
想いを販売しているともいえます。




以前、
自分で組んだスキームで
フランス・ボルドー左岸の高級ワインを
関税撤廃となった香港へ
融通したりとしていましたが
フランス・ブルゴーニュのワインは
取り扱いませんでした。

ボルドーは元々が投機・商用目的
といっても過言ではなく
生産者①が毎年出荷価格を変更します。
生産者側のリスクヘッジも当然で
先物取引(プリムール)も毎年の慣例であり
①が流通量調整目的での出荷
市場相場の調整・価格変更も当然です。

一方でブルゴーニュは
現在の日本酒にとても良く似た構図で
①→②→③、①→③の関係がとても緊密です。
現在人気である日本酒の流通システムは
この100年以上続くブルゴーニュから習っての
流通な訳ですから。

余談ですが今日の最後に
ワインの話しを少し、

『ボルドーは人、ブルゴーニュは神へ捧ぐ』
こういう言葉があります。

ボルドーは当初イギリスの国力によって
大きな発展を遂げ、
ブルゴーニュはフランス国内での様々な要因により
発展を遂げました。

数あるブルゴーニュ・グランクリュでも
『ロマネ・コンティ』で有名な
ヴォーヌ・ロマネ村。
この土地で生産されるワインは
とてもわかりにくい味わい
何とも表現し難いとされます。
悪く言えば味が薄い、焦点がぼやけている
良く言えば中庸
自身の経験からでもまさにそうだ。と感じます

日本のインポーター
オルヴォーさんが輸入している高名な生産者の
言葉を引用させていただきます。




ヴォーヌ・ロマネとは
ふたつの要素の止揚から成り立つ。
リシュブールより北側はシトー派
ロマネ・コンティより南はベネディクト派の
勢力であり、
ヴォーヌ・ロマネにおいて
厳格なシトー派と贅沢なベネディクト派という
ふたつの要素が接し、融合したからだ。

さらには修道院と言うキリスト教と
ブルボン王家コンティ公という世俗権力
聖俗ふたつの勢力が接した場所でもある。

それは必然ともいうべきものであり、
ヴォーヌ・ロマネの土地自体が
それを生み出したと言える。

『アンヌ・グロ』
10年前、当時41歳のコメントです。
———-

trenteに来店した事がある方は
嫌でも目に入るほどの
ワインボトル・エチケットが飾ってあります。

大阪滞在時のあるときに
『ヴォーヌ・ロマネ』
このワインを口にしたときから探求が
はじまりました。
『どういう味なのか?』
その液体を全く理解出来なかったからです。

これは自身の人となり、考え方に
大きな憧れを与えてくれました。

今月の3月14日(月)
なんと『アンヌ・グロ』さんが
来日、プロ向けの試飲会に出席!というので
その雰囲気を感じて来ます。
(最後の裏話。プロ向けの試飲会って無料です)

かなり長くなりましたので、続きはまたの機会に!

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