TRENTE(トラント)

ダーツが苦手だからダーツ屋になった店主のブログ

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③返済とそれからのはじまり。

2017年12月1日

店主が実行したビリヤード場のちょっと変わった経営方法について。②閉店までの顛末
からのつづきです

 

 

背景はさておき
この状況を打開しなければ
うーん。どうやって返済しようか。
条件は前回の『閉店までの顛末』に書いた通りで
年を重ねても難しい問題といえる

とりあえずは最後に残った残存物
重過ぎて運び出せなかった
自己所有の競技用ビリヤード台3台。
これを馴染みのビリヤード業者に
買い取って貰うところからだったか

閉店から2、3日後
西千葉にあるその業者を訪ねて要件を話すと
ああ。
これはもう買い取ってますけど。と一言
提示されたのは売買に関わる契約書




??
いや、まだビリヤード台は解体もせずに
僕の手元にあるし
何よりも所有者は僕なんですが。
支払いはまだですよね?
と聞くと

どうしても『H』さんが
いま決済して欲しいうことで
あなた様も良く存じ上げていますし
台は後日回収という事で
一昨日代金はお渡ししておきました。

は、はやい。さすが『H』だ
抜け目が見当たらない(笑)
ぼくの想像力が及ばなかった。
というかルールってなんだ
そうだよな自分の身は
自分で守るしかないんだな(笑)

考えている時間1日が重い
瞬発力が必要だ。

それからはいままで以上に
本当にいろいろな事があって
ビリヤードをやる時間も無く
1年半ほど経ったかな。完済が見えて来た。
返済方法は中学生の時に考えた
D/Aシステムトレードの応用だった




その頃に偶然出会った
当時のお客さんと少し立ち話をすることになった
この先輩『M』は
ぼくをこの業界に入れてくれた恩人。
その後も本当にお世話になった

しばらく世間話の後、先輩が
『どうしてビリヤード辞めた?』
と詰め寄るような真剣な眼差しだ

ここまできたら恩人『M』には
話さないわけにはいかないだろう。
ぼくは簡単に事情を説明した
この先輩が事情を話した2人目になった

すると先輩『M』は
きみが貸したと言うのを聞いて
実はおれも『H』に
かなりの高額を書面も無く貸し付けた。
という言葉が返って来た

『すみません。』
これしか言えなかった

ぼくが誰にも言わないという約束を守るがため
また先輩も誰にも言わなかったのだ。
自己判断、自己責任とはいえ
『H』に
仲間達から一身に受ける
僕への信用を利用されたことで
大切な仲間に迷惑を掛けてしまった。

自分の決断と行動が
ひとりではなかったんだと痛烈に感じた。
いまも思う、
あの時どうしていたら良かったんだろう。

 

あと、この話しで大切なのは
この件をたった1人話した相手。
そう、
その時にお付き合いしていた彼女

彼女はビリヤードに余り興味を示さなかったが
お互い別れ話などを考えつつも
真面目に向き合う時間すら削った僕に対して
彼女は1人でビリヤードをはじめて
1人で上手くなり、
ついには関東大会へというところまで
練習を積んでいた。




MEZZボーラードノートという練習ノートがあって
閉店時に数冊余っていたので
そのとき彼女にこれをあげたことを思い出す。
その時こう言ったんだ、
もし、このノートを10冊埋めるときが来たら
一緒にビリヤードしよう。

ビリヤードをやる人ならわかるかも知れないが
このノートを10冊埋めたプレイヤーなんて
聞いた事が無い。ぼくにでも厳しい課題だ

完済までビリヤードはやらない。
と思っていたけど、
彼女のボーラードノートは9冊目を数えていた。

ぼくも完済が見えて来たので
彼女にビリヤードでも教えてあげよう
ということになり、
前回話した最後の従業員『K』の店に
行く事になった。

なんという偶然の巡り合わせか
隣りのテーブルでプレイをはじめたのは
あの『H氏』だ
ぼくはその頃いつも帽子をかぶっていたので
気が付かなかったのか
気にしなかったのか
もちろんこれまでに返済の催促をしたことなど無い

ぼくはいつも通りの挨拶を交した
『最近どうですか?』
笑顔での日常会話だ。

そのまましばらく彼女と
久しぶりのビリヤードを楽しんだ。

はずだったんだけど、
ビリヤード台に向かって構えに入ろうとする
彼女の目からは無言の涙があふれていた
『ぼくがこんなに苦労しているのに』
といった感じか

まあ、事情は察しの通り。
うーん。なんて声を掛けよう

『そんなんじゃ入んないぞ』
か?それはちょっと格好良すぎるな

『泣いたら何か変わるのか?』
いくらなんでも冷たすぎる。か




ぼくは金銭貸借の内容を誰にも言わないと
3年ほど前のあの時『H』と約束した。
彼女はその辺を察しているようだったが
それを彼女には話していない

プレイ順番が代わり席に付いた彼女へ
声を掛けたが、
『 。』
どう声を掛けたのか覚えていない
精一杯のひとことだった

自分のプレイ番で
すぐテーブルに向かったぼくはプレイをしながら
彼女の方をちらっと見た

彼女は大きく目をひらいたまま
目蓋で涙を堪えたまま
ビリヤードテーブルを
ぼくのプレイを見つめている。

おい!ぼくのこと泣かすつもりか!と
突っ込みたい気分だが
ちょうどそのゲームはお互いリーチで迎えた
最終ラック。
この⑨番を入れた方が勝者だ

ぼくは最後の⑨番を入れる前に
『G』です。と宣言して勝利した

何人か側にいたギャラリーが『G』ってなんですか?
と即座に聞いて来たので
ああ。ゲームボール。とさらっと返した
これビリヤードをやり込んでいる人にしか
わからない笑いで、
その場は笑いで包まれる事になった。

このあと数ヶ月で完済したぼくは
ビリヤード業界に戻り
その年の千葉県大会に優勝。
目標をプロツアー・全国大会に切り替えていた
練習も過去よりさらに厳しい課題を課して
何かに取り憑かれているようだと
言われるくらいだった




練習内容は例えば
左右ワンポイントフットショット100連続成功
出来るまで。このあたりの難易度がアップで
そこからその日の課題という内容だった

しかしここからの1年。
数試合ほどの中で
残念ながら全国大会優勝は叶わなかった

『H』さんからは
今も連絡が来るのでたまに話すけど
あのときはありがとう。ほんとごめんな。
と心からの感謝をされる。
そして、じつはいま。っとくるわけだけど
さすがに力にはなれません
そして返済についての話しもしません。

これを書いていてわかったのは
ぼくは『H』さんに資産を委ねたのではなくて
あの時のあの場所を守るために
投機したんだなと考える。

ただあれだけいたお客さん・友人の誰とも
連絡をとっていないのは何故なんだろう。

『K』にすべてを委ねた約束を守っているのか
先輩『M』のように他にもいるであろう
仲間から逃げているのか
それとも他に理由があるのか。

現在あの彼女は結婚5年目を迎える頃か
最後に連絡をとったのが
彼女の結婚予定の知らせを聞いたときなので




どうして
こんな優しい女性と別れたのかって?

 

ここから2年後、
窮地に立っていた最愛の従兄弟から

(彼はぼくと約10年間一緒に育ち、
家業が行き詰まる辺りから
身内など1人もいない大阪へ単身で家出。
三角公園の寝泊まりからスタートして
大阪中心部で事業を起こしていた。
この後はいわゆる有数の富豪になる。)

再三の要望に応えて
大阪で新規事業に関わるスキームを組んだ。

ただし限られた時間の中だったので
アレンジしながら進むような
さらには大きな犠牲を伴う内容だ。

この従兄弟も従兄弟で
いま窮地であるとはぼくには伝えてこなかった
知ったのはビリヤードの
全国大会で大阪を訪ねた際、

従兄弟の隣りにいた
まあ絵に描いたように
毅然とした女性が意を決したように
ぼくに打ち明けてきた。
それは従兄弟と離れて移動中の
電車内だった

その毅然とした佇まいの
女性はぼくにこう言った。




いつも元気な彼だけど
もうまさに今、ここが事業繰りの限界。
ぼくに最後の力を振り絞ってまで
明るく元気な姿を見せている彼を
見ていられなくて、
どうにか力になってあげられないだろうか?
現金がどうとかという話しではない

彼女の目は絶対に従兄弟には
言うな。という目だった

解決に向けて組んだそのスキームは
劇的な対価をもたらすが
代償はお互いの自己犠牲。
自分に嘘を付くという内容だった

事業計画を開始した後すぐに
大阪へ行ったとき
その毅然とした女性の姿はなかった。

大阪へ向かってからのぼくも
ビリヤードをする事はなかった。




 

さらにぼくとしても
この事業計画は自分の能力を越える課題も多い
このリスクを取る自分に
どうしても彼女は付き合わせられない
このスキームにはその点での犠牲も
組み込んでいるからだ。

2人で話し合った結果
お互いの幸せを願って別れることになった。
同級生の26歳
ここまで約10年の付き合いだった

東京駅の新幹線乗り場で
お互い背中を向けて歩きはじめたんだが
ぼくは振り返らなかった。

お互い今後に悩む事など無くなるまで
話し尽くしたはずだった

ここで振り向いたら何の決意だ

 

ぼくは前を向いて歩き
あの時ビリヤード台を見つめていた
彼女の気持ちがようやくわかった。

背を向け合う前、
東京駅で買ったお土産が多くて
持つのに困ったぼくは
これでいいや。という感じで
スーツケースの上にポンッと大きな紙袋をのせた
彼女はそれを見て無意識に
ニコッと笑ってた。

彼女はきっと振り返りあの眼差しで
ぼくを見送ってくれていたと思う

あの時の彼女へ
大丈夫。ぼくはちゃんと達成したよ(^^)

自分への嘘もつかなかった。
いや、つけなかったと言った方が正しいか

それから数年後、
同じ目をした女の子を見ることになるんだけど
それはまた次回に。




今回は
ちょっとした小話になってきていますが
ぼくの今後には苦手とする
プログラミング・文章構成・編集能力が必要なので
コツコツ練習しています。

このブログも書きはじめて
もうすぐ一ヶ月!
内容が長くなると編集が必要になるのですが
今回は継ぎ接ぎだらけの文章で仮編集のまま投稿しました。
特に読みづらくなってすみません。

読んでくださっている皆様
本当にありがとうございます^^

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