1954年8月26日
フィリピン・パンパンガ州生まれ
フィリピンの英雄として
現在も活動を続けるプロビリヤード選手。
親しみを込めて呼ばれている愛称は
『BATA』(タガログ語で【子供】の意味)
まるで魔法をかけたのように
自在に球を操ることから
『The Magician』とも呼ばれる。
技量・結果はもとより、
幼少期からの卓越した知識・発想から
現代ビリヤード競技に大きな影響を与え
プレイヤーの誰もが認めている
『ビリヤードの神様』である。
最近の動画を見てみましょう。
Efren Reyes – Shot of the Day
10Ball・エキシビジョンからの
1シーン、33秒の動画です。
テーブル上に残った球は3球
『⑦・⑨・⑩』
まず1球目となる⑦番を入れるところから
この動画は始まりますが、
ビリヤード競技に
取り組んでいる方A級以上の選手なら
この時点でほぼ100%の勝利を
確信出来ている状態です。
プレイヤーは『神様』エフレン・レイズ
今回はショー的な要素も含んでいる
エキシビジョンマッチということで、
最後の3球を使って
その圧倒的な構想力と想像力
ビリヤードの奥深さを教えてくれます。
【1球目】
⑦番を絶妙な回転・力加減で入れて
⑨番に当てネクストポジションを作っています。
通常では中心近く、球の下部を撞いて
⑨番に当てずにポジションをとります。
この地味なワンショットを
高精度で成功させている
この一球を見るだけでも間違いなく
世界トップレベルのプレイヤーと言えます。
【2球目】
⑨番を入れたこのショットは、
ビリヤードの撞き方の中で
最も難しいと言える
『強い逆捻りを緩く手球にかけるショット』
です。
ここで注目なのは
捻り回転を多めにしてクッションからの
出方で手球を動かしています。
この撞き方で
ネクストポジションである⑩番の
あの位置に止める事は難しく
最高難易度のショットです。
ほんの僅か0.01mmだけでも
もう少し手球の上を撞けるのであれば
難易度が下がる感じなのですが
クッションからの球の動きから
テーブルコンディションを見てみると
あれ以上、
手球の上を撞いた場合。
サイドにスクラッチするリスクが
上がり過ぎるという
完璧なショットマネジメント。
さらには絶妙すぎる加減。
ここまで普通に書いていますが、
マスワリ5連発を日常で出し
特に手球のコントロール力に長けている。
そう呼ばれる事もあった
筆者でもこの構想での2球連続成功は
まず出来ません。
(この時点で結末がわかっていない)
ただし、
⑦を入れた段階でフリを逆、
もしくは厚く出して
あの位置⑩へポジションとしても良いなら
まずまずは出来そうな感じですが、
それでも超高難易度です。
実際もそんな構想だったと思うのですが
許容範囲が違いすぎます。
【3球目】
(筆者には想像する事も出来ませんでした。)
動画を見るとわかりますが、
1球目⑦番の時点でこの構想があった
ということです。
絶妙な加減で先球に回転を与え
クッションからの⑩の動きを
コントロールしています。
手球が⑩番へのポジションを取る間に
エフレンが
ちょっと危ういか?という素振りを
見せていましたが、
このシーンではあの手球の位置。
1mmの距離を精密に稼ぐために
超高難易度のショットを選択しています。
最後の特殊な入れ方で
⑩番を入れるのに適した僅か1mm程度の
絶妙なポジションを得るためです。
なぜ?1球前にあの難しい
撞き方をサラッと選んだのか。
あの手球の位置
1mmの距離を稼ぐためだったという事です。
(筆者は1mmの意味がわかりませんでした)
あのショット選択で
すべてノータイム
最高難易度のショットをサラッと決めて
見ている人にビリヤードを楽しんで貰った上で
自分もどこまでもビリヤードを楽しみ
限りなく失敗しない
一見地味な33秒の3ショット
世界でこれを実現できる人は
どんなトッププレイヤーに尋ねたとしても
【ビリヤードの神様】
エフレン・レイズ(Efren『BATA』Reyes)
だけと答えるでしょう。
この人の動画を見て、
ビリヤードのめり込んだんだよな…