『テロワール(Terroir)』とは、
土地を意味するフランス語の
『terre』から派生した言葉で
生育地の地理・地勢・気候による特徴を表す言葉。
同じ地域の農地は
土壌・地形・農業技術が共通するため、
作物はその土地特有の性格を帯びる。
その作物における
「生育環境」ということができる。
映画『ぶどうのなみだ』
監督・脚本 三島有紀子
田口トモロヲ・前野朋哉・りりィ
きたろう・小関裕太・内川蓮生
高嶋琴羽・大杉漣・江波杏子
音楽 安川午朗
撮影 月永雄太
編集 加藤ひとみ
配給 アスミック・エース
公開 2014年10月11日
北海道空知地方のワイナリーを中心に描いた作品(SORACHI WINERY)
(あらすじ)
北海道空知地方で、
兄のアオ(大泉洋)と弟のロク(染谷将太)は
父の遺した小麦畑と葡萄の樹で農業を営んでいた。
ロクは小麦を、アオはワインを作っていた。
アオは”黒いダイヤ”と呼ばれる葡萄
ピノ・ノワールの醸造に励んでいたが、
なかなか理想のワインができずに悩んでいた。
そんなある日、
キャンピングカーに乗った女性
エリカ(安藤裕子)が二人の前に現れた。
監督・脚本 三島有紀子
『しあわせのパン』につづく、長編初監督作品。
舞台となったのは
北海道岩見沢の『宝水ワイナリー』
ワイナリー創業当初からの御縁で
ワインを業務購入していたこともあり
今回訪問してきました!
宝水のワインを口にした方はきっと
『雪解け水のようだ』
『チャーミング』
おもわず言葉に出したくなるような…
日本ワインの中でもひと際
とても風土・雰囲気(テロワール)のある味わい
岩見沢在住の方や
ワイナリーに関わる方から
様々な話を伺ったり
実際に街を歩いたり、畑を歩いたり
空気に触れたりと学んできました!
『宝水ワイナリー』のワインリストは
自社農園のぶどうを
100%使用したワインで
品種ごとの出荷数は約1500本となる
雪の大地、岩見沢の『テロワール』を
表現できるようなワインを目指して醸造された
『RICCA』シリーズ
(2006、2008年ヴィンテージは余市産の葡萄)
同じく、100%が自社農園のぶどう
生産本数が500本前後となる
試み的な意味合いも含めてのプレミアムシリーズ
『雪の系譜』
柔らかい甘さと
『チャーミング』なバランスの
デラウェア・キャンベルアーリー・オレンジピンク
『宝水ワイン』シリーズ
(出荷数約6000本)
『テロワール(Terroir)』というのは
「生育環境」を意味する言葉ですが、
岩見沢(空知)の『テロワール』は
・豪雪時は2メートルの雪が積もり重なる
・同量でも雪の降り方が道内比較で厳しい
・雪掻きをしても解けないので
掻いた雪は運ばなければならないが
集雪所が近くに10か所ほどもあり
岩見沢は恵まれている。
そこに関わる方々の人柄、
岩見沢という場所の
厳しい自然と向き合いながら
自然に感謝し共に生活する
『テロワール』だということを
あらためて感じました。
初めて
『RICCAのケルナー・バッカス』を口にした時、
なんだこのワイン?
『本当に雪解け水のようだ』
と感じましたが
ワイナリーを訪問させていただいて
沢山の話しを伺った後は
『じっと自然と対峙してその雫を集めた』
とでも言い換えましょうか
なんとも言えない『テロワール』を感じる
比類のない素晴らしいワインです。
誤解のないように、
『宝水シリーズ』はテロワールというよりも
チャーミングなエントリーライン。
(ぶどうも他の地域から購入したもの)
はじめてワインを知りたい!という方にでも
馴染めるような、
かなり甘さを残した
自己紹介と言うよりはワイン紹介といった趣の
とても飲みやすいワインです。
『RICCA・雪の系譜シリーズ』は
宝水シリーズと一線を画す
ワイナリー横の自社農園が生み出す
生産本数の少ない
岩見沢の『テロワール』を体現したワイン。
鋭くシャープ、それでいて柔らかい酸
それに伴って
全てが手仕事だからこその
絶妙な収穫による糖度
(一般的に解りやすい甘さを感じるワインではない)
まさに
雪と生き、栽培し、醸す。という
厳しさと温かさが共存する
ぜひ一度は口にしていただきたいワイン。
ちょっと調べてみたところ、
インターネットショッピングサイトでの
『RICCA・雪の系譜』の取り扱いは全く無し
宝水ワイナリーの営業部長が話していた
『2014は予約の第1段階で生産限界の予定本数を
上回ってしまい、烏滸がましいが初めて
割り当て販売をすることになってしまった。
『2015もRICCAシリーズは出荷数が足らず
雪の系譜に関してはワイナリー店頭販売のみ』
わずか数本ですが、
『RICCA・雪の系譜』もうすぐ手元に届きますので
これから楽しみです。
宝水ワイナリーの販売・醸造・事務所販売中のワイン
ステンドグラスやワイングッズなどの商品
2016.04 自社農園の様子
(重い積雪から守るため樹々が伏せられている)
地表には沢山の土筆が
この日はちょうど瓶詰めの作業中。
数年前までポンプが無く
4000リットルの醸造タンクにバケツリレーで
仕込んでいたという裏話が…
2016.4.29から販売するという
併設のアイスクリームショップ
(この日は食べられませんでした)
最後に、
『ぶどうのなみだ』で使われたセットの数々
敷地に埋め込まれた無数の枕木
小屋を建てたが、雪に耐えられないため
屋根部分を後日補強して農具置き場に
(当初、近隣の山崎ワイナリーへ訪れた
友人の映画制作会社代表が撮影を交渉・試みるも
難しいという理由で山崎ワイナリーさんから
宝水ワイナリーにオファーがという。
セットなども大変でワイナリー2階を改築したり、
入り口に沢山の枕木を埋め込んだり
絵コンテだけ渡されてこんな感じ。と
お願いされるのでとても戸惑った。などなど)
ただ結果として、
セットも良く出来てるしイメージにも合うし
そのままワイナリーのギャラリーとして使おう。
ということで残すことになったそうです。
最新のヴィンテージは2015
過去のヴィンテージは全く残っていません。
一期一会の『宝水ワイン』
今後とも細やかながら応援します。